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青年文摘(彩版)の勝負はここです

金原克範『〈子〉のつく名前の女の子は頭がいい』(洋泉社・新書y)という本によると、「女の子に〈子〉のつく名前をつける家庭は保守的であり、〈子〉のつかない名前をつける家庭は革新的ということ」である。
しかしかれの調査では、「入試水準の高い高校ではCNrate(保守的に命名された個体の比率…引用煮汪)が高く(〈子〉のつく名前が多く)、入試水準の低い高校ではCNrate(〈子〉のつく名前が少ない)」。
その「両者の違いは約一二・五%」。
つまり、〈子〉のつく名前の子のほうが、現代風の名前の子よりも入試水準の高い高校にかなり高い比率で入っている、ということだ(参考までに右の会報では、当月に生まれた女の子四十八人。
そのうち〈子〉のつく子どもはわずか二人(望子、友花子)。
〈子〉率○・○四%で金原は、「メディアと共に成長してきた最初の世代」=一九四五年以降数年の団塊の世代を「メディア一世」と名づける。
「入力価値を重視する情報的価値観をもつ」その子どもたちは「メディア二世」(一九六〇年代後半以降出生)と呼ばれる。
メディア一世は子どもたちに語るべき言葉をもっていない。
彼らは命令しか口にできない。
子どもたちを変える具体的な力をもっていないのだ。
TVなどのメディアのみすぎで、彼らは貴重な時間を無駄に過ごしてしまった。
少年時代はごま化しが効いた。
少年時代はまだ学ぶ立場だったからだ。
しかし彼らが成長し、子どもを育てる立場になったとき、TVのつけは利息をつけて目の前に突きつけられることになる。
代金を請求するのは他でもない、彼らの子ども、「メディア二世」だちなのだ。
金原の考えに倣えば、右の会報で紹介した子どもたちの親はたぶん一丁五世(一九七〇年前後出生)ということになるであろう。
「利息」はさらに倍増して、もう支払い不能の破産状態になっている。
金原はキチッと調査する学者タイプの男らしいから明言はしていないが、ようするに、〈子〉の名前をつける親は保守的だが堅実、キャバクラ名をつける親は革新的だが軽薄にしてバカ、ということだ。
ついでに会報の中の男の子の名前にはこのようなものがある。
建瑠、子騏、夏緯、騎壱、大河、夏月、玲於、銀音、星甫-。
女の子の名前もそうだが、こんな名前では他人が読めないだろう。
だが、有頂天の親はそんなこと知ったことではないらしい。
他人の目なんか気にしないという意識と、他人の目を気にしすぎる意識が同居している。
ただそれでもこ言いっておきたい。
このような命名はバカ親のナルシシズムではあっても、けっして「暴力」ではないということだ。
「悪魔」と名づけるような底なしのバカ親なら、さすがにそれは「暴力」だが(この父親は、目立つからみんなに早く覚えてもらえる、と屁理屈を垂れていたが、やはりバカだったな。
その後、薬で捕まった)。
ついでに右とは関係ないが、名前に関して二言。
外国人の帰化に際して、名前に漢字をあてることは法的義務なのか。
ロペスの呂比須、サントスの三都主は無理やりではないか。
のみならず、可哀相でもある。
カタカナのままでいいではないか。
すなんて素直な女たち岩村暢子の「30代、40代主婦の『断層』」というエッセイに、このようなことが書かれて「今年42~43歳と33~34歳とのところに明確な『断層』があることが明らかになっている」。
この「断層」とは、食にたいする意識の「断層」のことなのだが、まず42~43歳以下の主婦に共通する特徴は、「食材の味や風味などを無視しても、栄養を組み合わせたり網羅することを重視する」「栄養・機能指向」だ、ということである。
ところが、33~34歳以下の主婦たちは、その上の世代にたいして、「食材や調理に関して基本的な技術や体験が少なく、食への知識や関心も総じて低い。
栄養に関しても上の年齢の主婦ほど重視していない」。
けれども「加工食品に自分なりのアイデアでアレンジを加えるのが手作りである、とでもいう感覚」をもっていて、「日常の食事作りには手間をかけず、パンやお菓子作りを楽しむ」ことなら得意だ、というのである。
なぜこのような「断層」が生じたのか。
それは彼女たち(両年代の主婦)が中学校で受けた「家庭科教育と密接な関係がある」と岩村はいう。
主婦たちが使った教科書では、それまでの「調理」が「食物」と改められ、「技術重視から消費生活者教育寄りに変った。
調理実習よりも、食品を主要栄養素で分類したり、その組み合わせで栄養所要量を満たす工夫を教えている」。
それに較べて、33~34歳以下の主婦が使った教科書は、「学習内容はより簡略化され、またここから家庭科の授業時間は減少し、調理実習も大幅に削減された」。
そのかわり「実習メニューでは楽しく作れる菓子やデザート類が増えている」。
で、「食」の関係の、しかもこんな漢字ばかり多い文章を読まされて、それがどうかしたのか、というと、「私達が考えている以上に『教科書』や『学校の教育』が、その後の生活に大きな影響を与えている」と岩村は結論づけるのである。
「こうしてみると、今日『今時の主婦は』と非難される事象も、実は多くが時々の教科書で教えられた通りではないかと思えてくる」なるほど。
こういうことはあるかもしれない、という気がしてくる。
だが、教わったとおりに形成されるとは、またなんと素直な女たちであることか。
統制国家でもあるまいに、「教科書」や「学校の教育」のなかにスッポリと収まってしまうことが怪厨である。
しかし、これでなんとなくわかったことがある。
テレビの街頭インタビューなどで、政治でもなんでもいいが、すこし込み入った問題について訊かれると、「だれも教えてくれなかった」とか「学校で習わなかった」と言い訳をする「だってだれも教えてくれなかったんだもん四十代前後バカ女」がかなり頻繁に出現するのだが、そういうことだったのか(つて、たとえ教わる機会があったとしても、金輪際覚えるつもりなどなかったくせに。
その証拠に、この機会に自分で新たに調べて知見を増やそうとするのかというと、そんなことはまったくないのだ)。
四十代前後の女だけではない。
各世代が集まったテレビ討論会などを見ると、いまの女子高生たちもよくそういう言い訳をするのである。
だが、小谷野敦もいうように「怠惰」は自分の責任である。
「教科書」や「学校の教育」が人間の成長に影響を及ぼすことはあるだろう。
しかし、もし「教科書で教えられた通り」になったのなら、それもまた自分の責任というべきだ。
教科書に「わたしが悪うございました」と頭を下げさせることはできない。
「渦巻く物欲2万人」という見出しの、「質流れバーゲン」取材記事があった。
六月十五日から三日間、東京流通センターで開催された質流れ品バーゲンには、前夜から一五〇人以上が列を作っていた。
その「男女比は2対8」。
約十万点の品で、三日間の売上げは約七億円。
「ルイヴィトンのコーナーが王戦場しで、「手当たり次第につかんでキープする女性。
目の前の気に入らないバッグを次々に放り投げる女性もいる」。
二人で10個以上のヴィトンを抱えた女子高校生」。
取材した女性記者は「なぜ、ここまで……すさまじい物欲が渦巻く空間で、札入れからとり出される1万円札の束にすっかり『酔って』しまった」と、書いて「物欲」と言い切ったところに「こいつらバカじゃないの」という記者の主観がはいっているといっていい。
わたしもテレビのニュースで偶然見た。


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